メッシュ すべてのビジネスはシェアになる

メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる

メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる

最近、ことに関心のある「シェア」という考え方。生活で活用するものを全て所有する訳ではなく、TPOに合わせて所有とシェアを使い分けるトレンド。好景気だった時代を頂点に、現在は所有からシェアへの流れが進んでいる。技術革新も追い風。ネットが無かった時代は、シェアする側とされる側とのマッチングがアナログな方法しか提供されていなかったけど、現在はネットにつなぐ端末さえあれば、屋外でもシェアサイトにアクセスすることが可能。この差は大きい。
と、ここまでは一般的に考えられるシェアについてのトレンドなんだけど、この本で面白かったのはトランザクション(取引)という考え方。所有という行動の場合、買い手と売り手のトランザクションは基本的に一回。それに対してシェアは、利用の都度トランザクションが発生する。その際に売り手には自動的に利用者の情報がフィードバックされ、その情報を活用すれば常に顧客一人ひとりによりふさわしい商品やサービスを、顧客がより簡便に利用できるようになる。この差が大きいのは理解できる。
振り返って自分の生活では、まだこのシェアによる利便性を享受しきれていない。ぱっと浮かぶのはアマゾンのリコメンドぐらいだが、リコメンドによる受動的な情報よりも能動的な情報収集がセレンディピティにつながっている。まだまだ所有の呪縛から逃れきれていないのかも。