アンビエント・ファインダビリティ

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

いつでも、どこでもネットワークにつながる環境が整いつつある現在、情報へのアクセスがコスト無く行える状況では、「情報を見つけること」が重要度を増す。本著では、ネットワークのこれまでと、これからの方向性(=より情報を見つけやすくなる)に対する筆者の考え方が述べられている。
前々から積読してあったこの本を今のタイミングで読むと、全体を流れる思想や使われてる単語が、先日読んだ「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」の布石となっていたなぁと思う部分を多く感じた。最近の動向を見てもMicroSoftのOfficeWebAppsなど、どんどん無料化が進んでいく。つまり、社会の成熟から、これまでの物質的な制約からくるコストがどんどん低下していき、手段に対してコストを払う必要がなくなってきている。そういった場合我々は、目的に対してのみコストを払うようになる。Webの世界では、物質的な制約が爆発的なスピードで崩れている(ムーアの法則)ため、この現象は顕著だ。この件を念頭に置かずに商売を始めようとしても、失敗に終わる確率は高い。

  • そろそろわれわれは、情報の資産を作り出すことから、その結果として起こるアテンション(集中力、注意力)の不足に取り組むことへと、注力すべきことを移すべき時である。なぜなら、ムーアの法則は人間の脳へは当てはまらないからだ。→Webの世界では爆発的な勢いで環境が変化している。それに対し人間のハードウェアは変化していない(できない)。twitterでもTL全て追っかけられないんで、情報収集諦めちゃうんだよね。完全性が無いというか。だから、システム側でユーザーフレンドリーな部分を作る必要がある。
  • オントロジーとタクソノミーのことはもう忘れよう。フォークソノミーこそ未来なのだ。→「伽藍とバザール」じゃないけど、こっち信者なのね。ノイズも含めて意味があり、人間の性善説を基準にしたボトムアップ方式。いや、否定している訳じゃないんだけど、メタデータがデータを持つようになるからエンドレスになる=完全な分類ができなくなっちゃうと思う。