フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

特にネット界隈で進んでいるフリー化の流れについて、その理由と効果を説明。経済としてフリーがどのように成立し、フリーをどう活用するかを考察している。専門分野だし、洋書なんだけど訳も分かりやすかったので、すんなり理解できた。フリーは時代の流れなので、どのようにしてこの流れを活用するかがポイントだと思う。フリーを活用するためのキーワードは「注目」と「評判」。これをいかに収益に結びつけるエンジンを構築するかが勝負。以下、気になった部分を本書から抜粋。

  • いくらであっても料金を請求することで、心理的障壁が生まれ、多くの人はわざわざその壁を乗り越えようとは思わない。それに対して、フリーは決断を早めて、試してみようかと思う人を増やす。フリーは直接の収入を放棄する代わりに、多くの潜在的顧客を増やす。→メモメモφ(.. )
  • アマゾンでオンライン・ショッピングをした者は誰でも、25ドル以上の買い物をすれば送料が無料になることを知っている。アマゾンのもくろみは、16ドル95セントの本を買おうとした顧客が、合計代金を25ドル以上にするために、もう1冊注文することだ。アマゾンがこのサービスを発表するや、そのもくろみは大成功を収め、世界各国で2冊目の注文が爆発的に増えた。→私の場合、アマゾンに限らずどのネットショップであっても、商品購入に際して送料を払わないで済むように金額調整はする。ECサイトの企画・管理をしていたときも、送料無料については必ずつけるように気にしてたし、その金額について利益が出る範囲で設定してた。
  • フリーはもっとも低コストでもっとも多くの人に作品を届けられる方法であり、試し読みが役目を果たすと、「上級」版を購入する人が出てくるだろう。本をアトムの形で持ちたいと望みつづけるかぎり、読者は紙の本に代金を支払いつづけるのだ。→キンドルiPadの上陸予告によって、日本における電子書籍の普及について様々な意見をネットで見かけるようになった。私個人としては、先ず液晶で長時間文字を追い続けるのは厳しいところがある。(電子ペーパーについては未体験)しかし、価格の低下や検索機能など、それを補って余りあるメリットが存在するのは事実。現時点においては、図書館でのレンタルなど手元に残らない形式の読書は、比較的違和感無く電子書籍化できる気がする。
  • 人間は潤沢さを目の当たりにしても、最初は気づかないこともある。→過去に作られた固定概念にとらわれて、社会に新しい価値が現れても、それに順応できない場合もある。大容量のiPodが初めて発売されたとき、「すべての音楽を持ち歩く」と言った考え方ができなくて、CD単位で個別にiPodに入れてたっけ。「HDDは貴重」という、昔の考え方が自分にまだあると思う。
  • グーグルによってオンライン広告(計測可能で、ターゲットを絞り、実際に利用されたときのみ課金される)はまったく新しい広告主を獲得できることが証明された。中小企業が1クリック当たり数セントでキーワードを買っているのだ。グーグルは広告というパイからより多くの収入を得ただけではなく、パイ自体を大きくした。→まさに私が管理していたECサイトがそう。今まで効果が曖昧で小規模なマーケティング手法では躊躇っていた広告掲載を、グーグルは明確化した。(私の場合、商材の特性上Overtureの方が効果あったが)
  • フリーミアムを収益モデルとして利用することを考えているウェブ2.0企業に対する私のアドバイスは、ユーザー全体に対する有料ユーザーの割合は5%を損益分岐点にすることだが、望ましい割合は10%だ。→メモメモφ(.. )
  • 無料ユーザーは全員が一様なわけではなく、その価値は彼らがユーザーとなった時期で異なる。企業や商品の初期にあって、とにかく人を引きつけたいと思うときに、フリーは最良のマーケティング手法となる。→たまーに駅前でオロナミンC配ってるけど、既にみんな味を知っているから効果薄いよね。新製品だったら良かったのに。