自分の小さな箱から脱出する方法

この本、ネットで評判だったから数年前に買って一度読んだけど、その当時は感銘を受けることは無かった。しかし、その時に「いつかこの本の良さが理解できる日が来る」と思い、本棚にしまっておいた。最近は仕事の人間関係が複雑化してきて悩むことが多くなったので、改善のヒントは無いかと思って再読。
単純に言えば「自分の立ち位置の有様によって、相手の行動に影響を与える」ということ。自分に対する裏切り(自己欺瞞)が発生すると、それを正当化しようとして自己の評価軸が歪み、他人に対して様々な弊害が生じる。この視点で、自分がこれまで不思議に思っていたいくつかの事柄について回答が出せる。たとえば、正しく注意をする場合でも、自分が箱の中にいる場合と外にいる場合では、その結果が180°反対になる。同じ行動を実施しても、自分の立ち位置の有様によってその結果が真逆になるということ。これは自分が箱に入っている場合、相手を注意する目的は自己の正当化であるため、たとえ相手が注意を受け入れたとしても、それは納得して受け入れておらず、最終的に求める行動には至ってくれない。それをこれまで、無自覚に行って来たかと思うとぞっとする。
このほかにも、箱に入ってしまうとその状況を正当化しようとするため、悪い状況を自ら作り出してしまう。悪い状況に妙な心地よさを感じてしまう。そういえば、自分は他人を悪者にすることで、自分が置かれた悪い状況を正当化することも多いなぁ。
再読してみて、自分的に納得できることがいくつか書かれている。自分の置かれた環境に悲嘆するより、まずは自分の状況を箱の外から眺めることを忘れないようにする。