人生後半戦のポートフォリオ

人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出 (文春新書)

人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出 (文春新書)

個人の持つ時間について、その価値観を再認識させられる本。「あなたは生活を築こうとして失っている」という言葉のとおり、現代の人々はカネ・モノを求めるあまり時間を無駄にしていることを定量的に指摘する。この本では時間を肉体必要時間と自分時間、他人時間の3つに分類し、自分時間を増やすことを説いている。実質的に削減できない肉体必要時間を除けば、他人時間の低減がそのまま自分時間の増加になる。(この本では勤務時間や通勤時間なんかも他人時間としていたが、個人的には勤務時間中であっても内容が自分の成長につながるものや通勤時間中の読書なんかは自分時間として考えている。)
この本を読んで自分を振り返ってみようと思ったが、特に仕事ではそれが自分時間なのか他人時間なのか判断できない時間が多い。営業をやってから、特にそれを感じる。この本を杓子定規にとらえると、極論として「チーム全体の作業のうち、自分の成長や成績につながらない作業は他人時間と思って拒否」するべきということになるが、サラリーマンで組織に属しており残業代も出ている以上、もちろんそんなことは出来る訳もなく受け入れている(ただし、先輩に言わせると顔が拒否している)。この辺りの判断基準を個人としての持っておらず、結果、場当たり的な対応になっている。この本の趣旨からはちょっと脱線するが、30代後半になってこの「場当たり的な対応」の多さが気になってきた。そろそろ自分の幹が出来るような行動規範を醸造しなければいけないと思うんだけど、まずは頭でっかちで経験の乏しい菌床をなんとなしないと。