逃げる中高年、欲望のない若者たち

逃げる中高年、欲望のない若者たち

逃げる中高年、欲望のない若者たち

タイトルが気になって購入した一冊。村上龍氏については「作家で、カンブリア宮殿やってる人」ぐらいのイメージしかなかったため、どんなものを書いているのか興味があった。こういった動機で読みはじめたが、その感想は正直、期待外れ。全編を通じてその根底に、村上氏の若者に対する無期待が感じられる。現代の状況に対して安易に答えを求めようとは思っていないが、若者に対して、本気で怒るでもなく、道筋を示唆するでもなく、淡々と他人行儀に嘆くだけという氏を感じた。本書の主題について、氏は興味が無いのではないのだろうかと邪推してしまうほどだ。まあ、氏としても現在の状況をどうしてよいのか分からず、主張が書けないのだろう。本書がエッセイであることを考慮して買うべきだった。